bookkeeping

簿記とは

公的資格である簿記は主催団体によって名称が異なります(日商簿記、全経簿記、全商簿記など)。
例えば日商簿記の検定では4級~1級まであり、就職 や実務に役立つのは2級~1級と言われています。企業経営における取引を一定の決まりに則して記録、計算、集計する知識を取得できますので、様々な企業での活躍の場があります。また、日商簿記1級は税理士試験の受験資格が与えられ、会計知識を必要とする上位資格を目指す上でも役立ちます。

お金の流れを帳簿で記録・計算する簿記

どんな小さなお店でも、日々「お金のやりとり・出し入れ」は発生します。商品が売れるとレジにお金が入る一方で、モノを仕入れたり、宣伝チラシをつくったり、従業員に給料を払ったり、店舗の家賃を払ったりと、じつにさまざまな経済活動が行われています。これは、大企業でも同じこと。さらには官公庁や組合団体でも、こうしたお金のやりとりは発生するものです。

その際、「なんとなく儲かっている」「ちょっと損してるかも」といったアバウトな把握では、信頼を得られないどころか、経営が成り立ちません。そこで活用されるのが「簿記」です。

簿記は、お金の出し入れを一定のルールに従いながら、帳簿上で記録・計算する方法のこと。個人のお金の出し入れなら「通帳」、家庭なら「家計簿」で事足りますが、商店や会社では、日々膨大な取引が行われています。そのため効率よく、誰もが分かる共通のルール・方法で記録しなければなりません。そのルールが簿記であるといえます。当然、会社であれば必ず簿記が必要です。簿記が「ビジネスの基本」といわれるのはこのためです。

さらに「帳簿に記録して終わり」ではありません。帳簿に基づいて「財務諸表」と呼ばれる報告書にまとめ、会社と関わるすべての人(利害関係者/ステークホルダー)に報告する一連の流れも、簿記のテリトリーです。

企業は決算期になると、この財務諸表を開示します。財務諸表からは、その企業の損益の発生や財産の増減を見てとることができます。つまり財務諸表は、会社の健康状態を細かく記した「カルテ」といえるでしょう。

あらゆる業務、多様なシーンで活かせる知識

実際に、さまざまな方が学んでいる簿記。その目的は、就職・転職だったり、現在携わっている業務上必要となったため学んでいる方、あるいは簿記資格を取得していると資格手当がつく会社に勤めている方など、多種多様です。

企業である以上、必ず収入・支出・利益があり、それに伴う簿記が必要とされています。よって、簿記の知識があればどんなビジネスであっても有利であるのは間違いありません。

実際に簿記を行う経理部門はもちろんのこと、営業など他の部門であっても、コスト感覚が身につき、それぞれの業務のさまざまなシーンで活かすことができます。

また、得意先、取引先の経営状態をつぶさに把握できるため、より密度の濃い業務が可能になるため、経営判断を迫られる重要なポストになるほど、会社を動かすための機動力としての簿記の知識が活きることになります。

感情や「なんとなく」の感覚を抜きにして、冷静かつ客観的に企業の業績状況(情報)を把握することができる。ビジネスを一段高いところから俯瞰できる力、それが簿記なのです。