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行政書士とは

行政書士とは省庁や都道府県庁などの行政機関に書類を提出したり、書類作成の相談や、代行したりすることができる資格です。行政書士は様々な人に必要とされており、社会貢献度の高い資格としても有名です。行政書士のお仕事は、基本的に行政書士法により定められており、取り扱うことができる書類の数は数千種類に及びます。主な取り扱い所類の中には、契約書などの企業と企業を結ぶような書類や、遺言書や相続についてなどの個人と個人を結ぶような書類がございます。
法律の変化により、個人でも行政機関に提出すべき書類が増えてきており、資格自体の需要も高まっていますが、試験は年々難しくなる傾向にあり、取得しにくい資格として受験者を悩ませています。

書類作成のエキスパートは“街の法律家”

世の中には、売買の契約を結んだり、申請を行ったりする際に、書類をつくり、官公署などに提出するケースが多々あります。

行政書士の仕事を一言でいえば、そんな書類作りのエキスパート。「書類なんて自分で作れるんじゃ?」と思われるかもしれませんが、世の中にある膨大な法令を踏まえ、分厚い必要書類を正確無比に作り上げるのは素人にとって至難のワザ。法律に照らし合わせた専門的な知識が必要になるからこそ、行政書士の需要があるのです。

たとえば、飲食店を立ち上げたいと思っている人がいたとします。いわゆる風俗営業許可を得なければなりませんが、そのお店がどんなお店になるのかで、許可の種類が変わってきます。「時にはダンスができるようなお店」なら第3号営業、ダンスがメインなら第4号営業、「暗くムーディーな雰囲気を作ってジャズを流したい」のなら「低照度飲食店」の第5営業といったように細かく分かれているだけでなく、地域によっては制限が設けられている場合もあるので、「その立地で、その営業形態だと開業できない」という判断も必要となります。営業形態によってそれぞれに規制があり、作成する許可申請書も異なってくるわけです。

お店を立ち上げる側からしてみれば、そこまで法律に精通している方はほとんどいないといえるでしょう。そのため、行政書士は顧客のニーズを細かく汲み取りながら、「だったら、こうするのがベスト」と適切なアドバイスを重ねていく必要があります。

行政書士とは、単に書類を作成するだけでなく、法律になじみがない人びとを、希望に沿ったかたちで導いていく“街の法律家”といえるでしょう。

書類作成から相談業務まで、幅広い分野をフォロー

書類作成業務

行政書士が作成できる書類は、なんと9000種以上にも上ります。書類作成業務といっても、今は依頼された通りの書類を代わりに書くという単なる代書屋ではなく、法律の知識を活かして、どのようにすれば許認可等を受けられるのか、どのようにすればトラブルを未然に防ぐことができるのか、様々なコンサルティングも含めて書類を作成するようになっています。

また、近年は一部の申請や届出をインターネット上で行うオンライン手続きが可能になっていますが、申請や届出のデータを作成することも、書類作成業務に含まれることが法律で認められています。

書類の種類は大きくわけで3種類あります。

【官公署に提出する書類】

  • ・建設業許可関係
  • ・風俗営業許可関係
  • ・運転事業許可関係
  • ・外国人の出入国
  • ・事務関係  など

【権利義務に関する書類】

  • ・各種契約書
  • ・遺産分割協議書
  • ・会社設立の際の定款や各種議事録 など

【事実証明に関する書類】

  • ・各種名簿、資格証明
  • ・財務諸表
  • ・各種図面類  など

提出手続、契約書作成の代理、相談業務

2001年の法改正により、行政書士に許認可申請手続の代理権、契約書作成の代理権があることが法律に明記されました。これによって社会的な信頼が向上。国民がより安心して行政書士に依頼を行うことができます。また、書類の作成について相談に応じることも業務のひとつです。
行政書士には、街の法律家としての役割も期待されています。行政書士の業務は年々重要性を増していて、今後もADR(裁判外紛争処理)での行政書士の活用などによって、さらに業務が拡大する可能性があります。