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消防士の異動

異動の基本

消防士は基本的に市町村単位で採用される地方公務員なので、そこで管轄している地域以外に異動はほとんどなく、国家公務員のように遠くに飛ばされることはありません。ただ、東京都のように大きな消防本部の場合は多数の市町村を管轄しており、市町村以外の異動もあります。また、例外として出向で国(総務省消防庁)や他の自治体に異動になることもあります。東北大震災のような大規模災害にあたる緊急な場合、1週間ほど現地に派遣されることもあります。

異動までの期間

異動の周期はおよそ3~8年です。その中でも同じ消防署に勤務できる年数は長くて8年です。たとえ最初に配属された消防署に勤務し続けたいと考えても、定年まで勤務する事は不可能です。稀に1年という短期間で異動になることもあります。

なぜ異動するのか

大まかにわけて4つの理由により異動となります。

1.昇任したときは原則異動します。消防士長や消防司令補等、昇任試験に合格したら昇任と同時に他所属へ異動します。

2.本庁等へ配置されるときは異動となります。これは、消防署員から抜擢され、大手町の本庁各課や各装備工場、航空隊、方面本部、学校へ配置換えになる場合です。

3.消防士の異動のほとんどは別の職種へ配置換えされる際の異動です。同一階級で長期間その所属にいると一定期間で配置転換になります。階級により一定期間の基準が違います。この異動の中で本部・分署・出張所など同一自治体内で幅広く異動することになります。

4.総務省に出向する場合の異動です。これは、東京消防庁のみ募集している専門系消防士の中から選ばれるため、その対象者はとても少ないです。募集の段階から専門系消防士には高度な知識と技能を備えた職員であることを求められますが、これは後に幹部候補生として扱う意図があるためです。専門系消防士は一度の募集に10人前後しか採用枠がなく、狭き門となっています。

異動の流れ

消防士は年に1回、勤務先及び職務への希望を申告することができます。ここで異動の希望を出すことはできるのですが、人事配置は職員の能力や適性等を考慮して決定しますので、必ずしも希望通りになるとは限りません。また、ずっと同じ仕事をするとも限りません。さらに、交替制勤務から毎日勤務、毎日勤務から交替制勤務への異動もあります。本人の希望と職員としての能力や適性等を総合的に判断され、年度末である3月に人事異動の内示があります。内示の中で異動日や異動場所を把握し、指定日に異動となるのです。

今後の異動

これからは地域の広域合併の時代です。市町村自体は合併しない場合でも消防だけ合併するといった自治体も増えており、管轄範囲が広くなっています。このため、今までは他の自治体の管轄だった地域への異動も出てきています。