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消防士の職種とは

一般的に消防隊は、消防学校を卒業した新人消防士が最初に配属される場所です。消防隊は消防の基本です。ここで経験を積んだ後、一年目辺りから様々な職種へ異動することになります。
一口に消防といっても、そこにはさまざまな職種が存在しています。救助隊、救急隊など内部資格が必要な職種も多く、異動の際には研修を行い、それぞれ必要な資格を取得する形となります。

消防隊員

消防任務の際、ポンプ車に乗って消火活動を行うのが消防隊です。消防本部によっては「ポンプ隊」や「消火隊」など、呼び方は様々ですが、「消火活動」をメインで行うのが消防隊です。

消防学校での初任教育を終えて消防署所に配置されると、新人はまず最初に消防隊員となります。消防隊員の仕事は主に消火活動ですが、それだけではありません。消化と並行して人命救助を行い、要救助者が入れば救助活動も行います。

特別救助隊員

人命救助のスペシャリスト。消防の中でもとりわけ人気の高い職種であり、どこの都市でも狭き門となります。欠員が出た時でもないと、簡単に配置されることはありません。また、多くの救助隊を編成している東京消防庁の場合でも、年間50人前後が「特別救助技術研修」を受け、特別救助隊員になるための資格を手に入れていますが、それでも研修を受けた全員が必ず配置されるというわけではありません。

特別救助隊は1チーム5~6人で編成されており、東京消防庁の場合は隊員が35歳まで、隊長が45歳までとされています。

はしご隊員

はしご車といえば、今も昔も変わらず子どもたちの人気です。消防の象徴とも言える車両の一つといえるでしょう。

どの隊がはしご車を使うかは、消防本部によって異なります。東京消防庁では、はしご隊として、隊長・機関員・隊員の3名による専任隊を編成していますが、それ以外のほとんどの本部では、特別救助隊が運用しています。これは二名チームで、隊長が隊員役も兼ねることになります。

隊員の役割分担をみてみましょう。
現場まで車両を走らせ、ベストポイントに停車させるのが機関員です。そこから実際にはしご先端のバスケットに乗り込んで、放水や救出作業に当たるのが隊長や隊員の役目です。はしごの操作に関しては、バスケットに乗った隊員と、地上側の操作台に座る機関員のどちらでも対応可能で、基本はバスケット側で操作します。

機関員

機関員は、消防車の運転専任の隊員です。消防車の運転には、国の定める「緊急自動車の運転資格」を満たした上で、各本部が定める機関員の内部資格を取得する必要があります。消防士になれば誰でも消防車の運転ができる!……というわけではありません。
そのため、各車両を運用する隊には、必ず機関員が含まれています。

機関員の資格には4つのカテゴリーが設定されています。
まずは「普通機関員」。これは救急車などの普通車クラスで、ポンプ操作の必要がない車両の運転を行う資格です。
次に「ポンプ機関員」。これは走行に加えてポンプの取り扱いを含めた運転資格です。
そして、「大型機関員」。これは大型化学車など、ビッグサイズの消防車を運転できる資格です。ただし、同じ大型車両でもはしごしゃはまた別格です。これは人を乗せて空中高く伸びるはしごの操作は、高次元の安全確保が不可欠だからです。
そこで、はしご車の運転・操作を行う機関員の養成のために、研修が行われています。そこで専門知識を学び、実技試験に合格すれば、「はしご機関員」として、はしご車の運転と操作を行えるようになるのです。