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警察官とその家族

警察官というと、様々な恩恵を受けることができて、その魅力ばかりが語られる傾向がありますが、それほど簡単なものではありません。警察官を目指す人には、その覚悟や難しさ、危険性などを、事前によく理解してほしいと思います。
また、警察官となった自分を将来支えることになるであろう家族。
彼らにどのようなメリットがあり、またどのような覚悟が必要かも、理解しておきたいところです。以下にまとめてみました。

高収入には、危険手当が含まれている

高収入が約束されている警察官ですが、その給料には危険手当が含まれています。警察官は犯罪の場面に遭遇することがあり、その際にケガをしたり、させられたりする事も少なくはありません。一般職と比べて高収入であるのは、そうした危険と隣り合わせだから、という理由もあるのです。

家族団らんへの期待は最小限に

管轄区で大きな事件が起これば、1週間は帰れません。ともすれば、家族と1ヶ月近く顔を合わせられないことも少なくはないのです。旅行や休暇にも制限があり、普通の家族が得られる時間を得ることはとても困難です。
家族は、警察官の任務の重要性を理解しなければなりません。子どもたちが寂しい思いをする可能性があるということも、警察官となったならば念頭に入れておかなければならない部分でしょう。

転勤が多い

仕事が不規則である、激務であるということはもちろんですが、それ以上に考えなければならないのが「転勤」のこと。地方公務員の場合、転勤は避けられません。3年に一回は転勤の話が回ってきますし、特に特に家庭もちには多くなります。これは、 駐在所が「24時間誰かがいる」ことを理想とするためです。転勤を割りきることができるのであれば別ですが、転勤によって心身に負担を覚える家族も少なくはないでしょう。

資質を問われる家族

結婚を考えた時、警察官の配偶者には、身内や本人に犯罪歴がないことが強く求められます。もちろん、あったからといって結婚できないわけではありません。しかし、警察組織の中での出世はほぼ見込めません。覚悟の上での結婚となります。

また、結婚後は家族にも「警察官の家族」としての振る舞いが求められます。警察官には転勤がつきものですが、小さな町であればあるほど、クリーンであること、警察官の妻、家族らしいこと、を強く求められるようになります。

家族を優先できない

警察官になると、有事の際に家族のそばにいることができません。人々を広く危険から守る仕事ですから、何かあれば家族ではなく、外に向かっていきます。警察官本人も、また家族も、そこに大きな覚悟が必要となります。

自衛官、医師、消防員、警察官……。有事に必要とされる職業に就けば、家族を守るために家にとどまる、という選択肢はないのです。

では、家族にとってのメリットとは?

以上、本人、また家族の覚悟を簡単にまとめましたが、これらをクリアできるのであれば、警察官は非常に頼りになる職業です。

クビになることも給料が下がることもなく、ローンの審査でもまずひっかかることがありません。退職金も豊富、退職後の働く場所にも困りません。

奥さんが働かずとも、専業主婦で子供二人を大学にいかせ、かつ土地つき一戸建てをたてる。そんな夢をかなえることも十分に可能です。福利厚生もしっかりしていますし、老後の生活の不安もありません。

警察官の家族らしく振る舞うことを求められる。その窮屈さは多分にありますが、それでも警察官の家族となれば、周りのひとは頼りにしてくれますし、親切にしてくれる傾向にあります。