介護福祉士を辞める理由

公益財団法人「介護労働安定センター」が公表する「介護労働者の就業実態と就業意識調査」によると、平成27年度における介護職員の離職率は16.5%です。これは、1年間で約6人に1人が離職していることになります。介護業界の離職率の高さは世間的にも広く知られていますが、退職理由として多く挙げられるものは以下の通りです。

職場の人間関係に問題があったため

人間関係は、様々な業界で代表的な退職理由として挙げられますが、介護業界の人間関係はほかの業界と様相が異なります。介護の現場は年齢層が幅広く、高校や大学を卒業したばかりの若者や子育てを終えた主婦、定年後の高齢者などが一緒に働いています。スタッフの学歴やキャリアが大きく異なることに加え、介護現場は男性よりも女性の割合が非常に多いという特徴があります。そのため、スタッフ同士の仲に軋轢や確執が生じやすくなり、結果として退職に繋がってしまうのです。

ほかにいい仕事や職場を見つけたため

介護業界は慢性的な人手不足のため、ほかの業界よりも転職先を見つけることは比較的容易です。しかし、友人から自分の職場に誘われたり、新しい資格を取得できたので転職に踏み切ったりと、新天地に魅力を感じて介護業界を離れる人も少なくありません。中には、副業として働いていた仕事が、いつの間にか本業となり、介護の仕事を退職する人もいます。

収入と業務量のバランスが合っていないため

雇用形態や保有資格によって異なりますが、ほかの業種と比べて、介護業界は給料が高くありません。加えて、夜勤や休日出勤といった変則勤務が発生しやすく、人手不足から激務であることも多くなります。これらの相乗効果により、業界や職場に将来性を見出せず、退職や転職に踏み切る人も多いのが現状です。

病気や高齢に伴う離職

上記のように、介護業界は激務となりやすいため、働くためには体力や気力が必要不可欠です。そのため高齢に伴って、仕事を続けることに体力的な限界を感じ、離職や転職を余儀なくされることもあります。このような理由のほか、雇用契約の満了や、親族の介護など、様々な理由で介護福祉士を離職しています。