介護福祉士の将来は明るい?

介護業界の需要はこれからも拡大し続ける

高齢化社会が叫ばれている現代においては、各種施設や家庭を問わず、介護者を欲する現場が増加しています。

厚生労働省が発表するデータによると、介護を受ける際に必要な「要介護者認定」を受けた人の数は、平成12年度が約218万人だったのに対し、平成27年度は約608万人と年々増加傾向にあることが解ります。わずか15年の期間で、介護が必要な人が2.5倍以上に増えているのです。

そのため、介護の知識や技術を有する人の中でも、国家資格を持つ介護福祉士の需要は高く、どこの介護現場でも働くことができるでしょう。需要が高い職業という点を評価すれば、「介護福祉士の将来は明るい」と言っても過言ではありません。

待遇の悪さを改善できるかどうか

しかしながら介護業界は、高い需要と反比例して、給与水準が著しく低いのが現状です。加えて、人材不足から発生する業務量の多さや、命を預かるという責任の重さから、介護者の仕事は激務になりやすい特徴があります。結果として、介護業界からの離職や別業界への転職を選択する人も少なくないのです。このような負の側面が解消されない限り、決して介護福祉士の将来は安泰であるとは言えないでしょう。

計画の実施や介護ロボットの導入による影響も

現在は、厚生労働省が主動となって、介護に携わる人のために色々な施策が計画、実施されています。例えば、介護現場への介護報酬を上乗せして、介護職の給与水準を引き上げる「介護職員処遇改善加算」や、介護職に従事する人の育成を目的とする「福祉人材確保緊急支援事業」など、その種類は様々です。

また現代は、増加を続ける介護者に対応するため、入浴支援やベッドへの移乗などの機能を有する、いわゆる「介護ロボット」の研究開発が進められています。施設によっては、すでに移動支援や在宅介護のために導入していることも多く、介護者の負担を減らすのに役立っています。

これらの介護機能を備えたロボットが普及すれば、一部の業務をロボットに任せることができるため、介護者の負担も軽減されることでしょう。このような介護職に対する待遇改善や技術革新の結果次第では、介護福祉士として働きやすい環境が徐々に整っていくと予想されます。