介護福祉士とヘルパーの違いは?

具体的な違いは、主に資格の取得方法や仕事内容、職場の待遇の3点です。介護福祉士とヘルパーは、一見似ているようでも、細かな点が異なっています。

資格の取得方法が異なる

かつて、ヘルパーの資格には、2級と1級の区分が存在しました。現在は、それぞれ2級相当の「介護職員初任者研修」と、1級相当の「実務者研修」に名称が改められています。いずれも、国家資格ではなく認定資格に該当し、資格を取得するためには、各都道府県指定の養成機関が開講している講座の受講が必須です。講座の受講後、筆記による修了試験に合格することで、晴れて資格の取得が可能です。

一方の介護福祉士は、国家資格に該当する資格です。取得をするためには国家試験の突破、もしくは介護福祉士養成施設の卒業が不可欠となります。介護福祉士の資格取得に必要な時間も、ヘルパーの資格よりも長く、試験にもより高度な問題が出題されます。簡単に言ってしまえば、ヘルパーの上位資格が、介護福祉士の資格にあたるのです。

有資格者の仕事内容が異なる

介護福祉士とヘルパーは、どちらも介護のプロを証明する資格であることに相違はありません。現場の仕事においても双方の役目に大きな違いはなく、どちらも高齢者や障害者の身体介護や生活のサポートを担います。ただし介護福祉士の資格がなければ、入浴や排泄の補助、メンタルケアといった、高度な介護業務を行うことができません。また、介護福祉士の資格を持つ人は、ほかの介護ヘルパーに対して、指導や助言を与えるリーダー的な役目を担うことが多くなっています。

職場の待遇が大きく異なる

ヘルパーの勤務先は、訪問介護の事業所であることが多く、雇用形態も非正規が中心となっています。これに対し、介護福祉士は老人ホームや医療機関、福祉系の学校など幅広い職場を選びやすくなります。また、雇用形態も正社員であることが多いため、給与や福利厚生制度においても優遇されています。

したがって、介護業界で働くうえでは、ヘルパーよりも介護福祉士の資格が重宝されるでしょう。転職活動においても、介護福祉士の資格を持っていたほうが即戦力と判断されるため、より有利となることは間違いありません。