small-medium-enterprise-diagnostician

中小企業診断士 よくある質問⑧

中小企業診断士はどれくらい必要とされていますか?

中小企業診断士は、経営コンサルタントに必要なさまざまな知識や能力を有することが証明される国家資格であることから、
企業から必要とされる人材であると言えます。

また、政府は中小企業が特許などの知的財産を担保にして、金融機関から融資を受けられる仕組みの普及に乗り出しています。
特許庁から中小企業に対し、知財の資産評価などにかかわる専門家である中小企業診断士や弁理士を派遣する制度を設けました。
この点からも、中小企業診断士としてのニーズは今後も高くなると考えられます。

中小企業診断士には大きく分けて3通りの働き方があります。
1つ目は、企業に勤める企業内診断士としての働き方。
2つ目は、コンサルティングの会社に勤めるコンサルタントとしての働き方。
そして3つ目は、独立開業をするコンサルタントとしての働き方です。
中小企業診断士には、このような多様な働き方があるのです。

ビジネス上で様々な知識が役立ち、独立開業への道もある、中小企業診断士。
このような多様な働き方がある理由としては、中小企業診断士へのニーズが高いことが上げられます。

とくに現状において、中小企業診断士のニーズが高いのは地方であると言われています。
これはどの士業にも共通して言えることですが、年々大都市に有資格者が集まる傾向にあります。

しかし大都市圏では、古参の中小企業診断士が仕事を押さえている場合が多く、
民間企業のコンサルティングに対するニーズは高いですが、相当な実績や実力がないと仕事を受注するのは困難です。
つまり、大都市では中小企業診断士同士の仕事受注の競争率は非常に高いと言えます。

一方地方では、中小企業診断士の数が少ない傾向にあります。加えて高齢の診断士が多いため、
公的機関や公的関係とのパイプは作りやすく、大都市圏に比べて仕事受注がスムーズにいくことが多くなります。

中小企業診断士の資格を持つメリットとして、公的機関からスムーズな業務の受託を行うことができることが挙げられます。
仕事受注への競争率が低いために、より公的機関や公的関係からの恩恵を受けやすいのが、地方で開業する中小企業診断士というわけです。


中小企業診断士になるのにいくらくらいかかりますか?

中小企業診断士になるための方法として、候補に挙げられるのは主に3つです。

1つ目が、独学で1次試験と2次試験に合格し、実務補習を受けて登録すること。
2つ目が、スクールに通って1次試験と2次試験に合格し、実務補習を受けて登録すること。
3つ目が、1次試験合格後、中小企業診断士養成課程を受けて登録することです。

独学で学ぶ場合、テキスト代と受験料がかかります。
2次試験まで合格をした後には実務補習を受ける必要があり
また、登録時には『中小企業診断協会』の入会金費用が別途かかります
そのため独学で学び、一発合格できた場合の最終的な費用は約30万円ほどになります。

【独学で資格を取得した場合の費用例】
・テキスト代  ……5万円
・受験料    ……3万円
・実務補習受講料……15万円
・協会入会金  ……7万円
・合計     ……30万円

一方、中小企業診断士のスクールに通う場合、およその受講費用は
1次・2次試験対策に加え、更受験料や実務補習の受講料や登録料もかかるため
こちらの合計費用は約55万円ほどかかります。

【スクールに通い資格を取得した場合の費用例】
・スクール受講料……30万円
・受験料    ……3万円
・実務補習受講料……15万円
・協会入会金  ……7万円
・合計     ……55万円

最後に、1次試験に合格した後で中小企業診断士養成課程を受ける場合です。
これは、二次試験と実務補習の代わりに養成機関での研修を積むというものです。
費用は養成機関によって異なりますが、例として1次試験に独学で合格し
養成課程を受けた場合で考えると、約120万~360万円ほどの費用がかかる見込みです。

【中小企業診断士養成課程を受けた場合の費用例】
・テキスト代  ……2.5万円
・受験料    ……1.5万円
・養成機関受講料……110万~350万円
・協会入会金  ……7万円
・合計     ……120万~360万円

以上の事から、独学で勉強をして費用を一番かけなくても30万円程度、スクールと
養成機関を併用し一番費用をかけるのであれば、400万ほどの費用がかかる見込みです。

スクールによっては再受講することで割引を受けられるものもありますが
一発合格を目指すことで大きく費用を抑えることができます。


中小企業診断士とMBAはどう違いますか?

両者とも、企業経営に必要な知識や技術を学びビジネスの現場で実践する能力を開発するための資格という点は非常に似通っていますが、若干の違いが存在します。

MBAとは「Master of Business Administration」の略です。日本語に訳すと「経営学修士号」になります。
企業を経営するにあたって必要な知識や技術を学び、それをビジネスの現場で活かすための実践的な能力を開発することを目的としています。

ところが、MBAはあくまで『学位』であり公的な資格ではありません。つまり経営学部の大学院を修了すれば、どこでも取得することができます。海外の大学に留学をして、英語で知識や技術を学びMBAを取得する事もできますし国内で通信教育を使って日本語を使い、知識や技術を学んでMBAを取得する事も可能です。

この二つのMBAは、同じ資格でありながらも価値は全く違います。修了した大学のネームバリューや専攻内容が一定でないためどこの大学で何を学ぶかによって、資格の価値は変わってきてしまうのです。

中小企業診断士は、国の法律に基づいて個人を判定し国が資格者の能力を認める国家資格です、資格を取得するためには当然『国家試験』を受ける必要があります。
そのためMBAと比較をすると、中小企業診断士の資格の価値はある程度一定であると言えます。

また、自分で専攻内容がカスタマイズできる事がMBAの特徴ですが中小企業診断士は幅広い知識を身につけることができ、企業の経営課題を抽出・改善し発展性のある方向へ導くことを目的とした実践的なものになっています。
そのため、国が認める経営コンサルタントとしての基礎知識を養うための資格ともいえます。

一方、MBAでは重要なトピックスには時間をかけて、より深く学びます。ケーススタディで経営事例を研究することも多いので、基礎体力を養う事よりも応用力を重視した、リーダーとしてのマネジメント力の向上を目的とした内容となっています。

中小企業診断士はその名の通り、中小企業の診断を行うのが主な業務ですがMBAは、大企業を相手にして業務を行う事が多い資格です。