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中小企業診断士 よくある質問④

中小企業診断士は転職に有利ですか?

中小企業診断士の資格は、業種・職種を問わず役に立つ資格であり、持っていることで企業へのアピールになります。
なぜかというと、経営コンサルティングに関しては唯一の国家資格になるので、経営の基礎的知識は十分にあるという評価になるからです。

ただし、そのことが採用理由になることは少ないと言えます。

まず一般企業に転職する場合ですが、必ずしも有利になるとは言えません。
転職の際に評価のポイントとなるのは、転職希望者がそれまでにどのような経験と実績を積んできたかということです。
中小企業診断士の資格を持っているからと言って、それだけで採用になることはありません。
経験や実績、専門的な知識、コミュニケーション能力など、会社が必要とする基本的な能力の条件を満たしていて、
はじめてプラスアルファとして働くのです。

例えば、「診断士資格を持っているけど、様々な分野で経験が少ない人」と「診断士資格は持ってないけど、様々な分野で
経験や実績のある人」の2名が面接を受けた場合、会社は後者を選ぶでしょう。

次にコンサルタント会社に転職する場合ですが、こちらでも必ず有利になるとは言いきれません。
コンサルタント会社で働くには、実は知識以外の要素が多く求められます。

まずコミュニケーション能力や営業力は必須です。
簡単に言うと、コンサルタントはいわば1営業として働くことになります。
中小企業向けコンサルタントの場合、一人のコンサルタントが複数の顧問先を指導する形をとるのが一般的です。
つまり、どのような人とも上手く関係を築けるコンサルタントでなければ、仕事を進めることはできないのです。

一般企業の場合もコンサルタント会社の場合も、どちらに転職するにせよ、転職希望者は知識だけでなく経験が求められる仕事と言えます。
これは中小企業診断士に限らずどの資格でも言えることですが、転職を有利有利に進めるという目的だけで資格取得を目指しているのであれば、考え直した方が良いでしょう。
資格を取得した後の目的を考えて、例えば「その知識や専門性を身につけたいから取得する」、「今よりも更に知識を付けて上を目指すために取得する」という
純粋な気持ちで向き合うことが大切です。

しかしもちろん、資格を持っていることでその分野に関する知識を持っていることが認められたり、努力ができる人間だと判断されたりすることは多々あります。
つまり一概に有利か不利かの判断はできませんし、なにより「診断士資格を持っていてかつ、様々な分野で経験や実績のある人」こそ常に転職市場で優位にいることは確実です。


中小企業診断士の他にはどんな資格を取るのがおすすめですか?

おすすめの資格は複数ありますが、中でも「財務・会計」の分野で
非常に役立つのが「日商簿記検定」です。

簿記検定は世間の認知度も高く、どの企業でも評価されやすいのが特徴です。
原価計算、精算表、本支店会計など理解を深めるために、資格取得を狙う中小企業診断士も少なくありません。

また、「ITコーディネータ」も非常に有用な資格です。
なぜなら、中小企業診断士資格を保有している場合、試験が大幅に免除されるという特典があるためです。

ITコーディネータとは、経営に役立つIT利活用に向け、経営者の立場に立った支援を行いIT経営を実現するプロフェッショナルです。
幅広い専門性を持ってサポートを行う中小企業診断士が、ITコーディネータの資格を取得し、さらにIT分野にも領域を広げることは
大きな強みになると言えます。

他にも、経営法務の専門知識が活かせる「フィナンシャルプランナー」がオススメです。
会計、企業経営理論、企業政策と、ビジネスパーソンとして必須の知識を得ることができるので、
転職や社内でのキャリアアップに役立つこともあります。
独立して「経営コンサルタント」になる場合も非常に有利です。

中小企業診断士は、難関の国家資格という事もあり、
試験の出題範囲が7科目と非常に広範囲にわたります。

①、経済学・経済政策
②、財務・会計
③、企業経営理論
④、運営管理
⑤、経営法務
⑥、経営情報システム
⑦、中小企業経営・政策

これらのは上記資格と出題範囲が似通っているため、すでに中小企業診断士の資格を持っているのであれば、
効率的に資格を取得することが可能です。逆に中小企業診断士試験に大いに役に立つため、上記資格を持っている人が
中小企業診断士を目指すこともおすすめです。

保有している資格との関連性から幅を手広く拡張させ、奥行きを深めるように資格を取得していく方法は、
非常に高いモチベーションが維持できます。

関連資格を取得すると、得意分野も増えて行きます。
「中小企業診断士としての強み」を前面に押し出せる事も、自身の成長に繋がる大きなメリットと言えるでしょう。