e-スポーツの世界で活躍するプロ選手とは

イチローやマイケルジョーダンなど、だれもが知っているスター選手がいるように、e-スポーツの世界にも高い知名度を誇るスター選手達が数多く存在します。

日本一有名な格闘ゲーマー「梅原大吾」

日本における史上初のプロ格闘ゲーマーとして、最も高い知名度とトップクラスの実力を持つのが、「梅原大吾」氏です。機械のように正確無比な操作技術と、どんな逆境にも揺るがない精神を持ち、国内外を問わず多くの格闘ゲーム好きに認知されています。2010年には「世界で最も賞金を稼ぐプロゲーマー」としてギネスブックにも認定されました。

そんな梅原氏も、アメリカの周辺機器メーカー「Mad Catz」とスポンサー契約を結び、e-スポーツのプロとして活動を続けるかたわら、メディア出演や書籍の出版、トークショーや講演なども精力的に行っています。国内におけるe-スポーツの普及や、プロ選手の社会的地位や知名度向上を目指し活動を続けるさまは、プロゲーマーの鑑と言っても過言ではないでしょう。

梅原氏のライバル的存在「ジャスティン・ウォン」

アメリカ合衆国のe-スポーツ団体「Evil Geniuses」に所属するプロゲーマーの中でも、
「最も強い」と称されるのが、この「ジャスティン・ウォン(Justin Wong)氏」です。e-スポーツのジャンルの中でも格闘ゲームを得意とし、15歳の時にチャンピオンシップに出場するほどの実力を持っています。トーナメントの賞金で学費や生活費をまかなっているほか、より強い相手を求めて他国への大会にも精力的に参加している生粋のプロゲーマーです。

ちなみに、ジャスティンは先に挙げた「梅原大吾」氏とも親交があり、最大のライバルとも言われています。2人のエピソードの中では、格闘ゲームの中でも人気の高い「ストリートファイターIII」の日米大会で、ジャスティン氏と梅原氏が対戦した時の逸話が有名です。奇跡的な逆転劇でジャスティン氏が敗北した際に、実況が発した「レッツゴージャスティーン!」という台詞は、日本でもアメリカでも話題になりました。

オンラインゲームの生きた伝説「Faker」

世界で一番ユーザー数が多いオンラインゲームである「League of Legends(※1)」の中でも、伝説的な存在として知られるのが、韓国の「Faker」氏です。数名でチームを組んで戦うのがLOLというゲームの特徴ですが、一番強い選手という点にスポットを当てれば、Faker氏の名前が真っ先に挙がります。

どのくらい強いのかと言えば、Faker氏は「2016年に開催されたすべての国際LOL大会で勝利している」というケタ違いの実力です。e-スポーツが比較的普及している韓国でも、並のプロ選手ではFaker氏の相手になりません。

また、e-スポーツの中でも競技人口の多いLOLは、大会における賞金総額の高さでも認知されていますが、Faker氏がLOLを通じて得た賞金総額は、1億円を超えるとも言われています。

自身のブランドを持つ「ジョナサン・ウェンデル」

シューティングゲームの一種であるFPS(※2)の中でも、トッププレイヤーとして知られるのが「ジョナサン・ウェンデル(Fatal1ty)」氏です。著明なFPSのタイトルとして名高い「Quake」や「Painkiller」などの大会で、幾度となく優勝を飾る実力派のプロゲーマーとして、多くのFPSユーザーに認知されています。

ジョナサン氏が、ほかのプロ達と異なるのは、自身が扱うパソコンのパーツや周辺機器をオリジナルブランドとして製品化しているという点でしょう。製品化されたマウスやゲームパッドは人気が高く、多くのプレイヤーに使用されています。ゲームの実力や知名度、製品の人気などを考慮すれば、ジョナサン氏は「e-スポーツで最も成功した人物」と称しても、過言ではないでしょう。

※1
LOLとは、3対3あるいは5対5の2つのチームに分かれ、互いの本拠地を破壊しあう対戦型のオンラインゲーム。e-スポーツの種目としても確立されたタイトルで、高額賞金の大会が世界各国で開かれている。

※2
FPSとは「ファーストパーソン・シューティング」の略称。一人称視点の画面で、銃や剣などを駆使して敵と戦うスタイルのゲーム。日本国内よりも海外人気のほうが高く、アメリカやイギリスではFPSの有名タイトルが数多くリリースされている。