公務員とは

私たちが生活するうえで、公務員の存在はとても大きく、その力を借りずして毎日を送ることは不可能です。
火事になれば消防士に、事件がおきれば警察官に、私たちは助けてもらいます。突然の病気や事故があれば救急車を呼びますし、役所に行けば、必要書類の作成、発行、ありとあらゆる手続きや案内をしてくれます。「公務員」という職業がなければ、私たちの社会は混乱してしまうでしょう。
そんな公務員ですが、実はその仕事内容については、あまり知られていません。公務員は国家公務員、地方公務員と大きく分けることができますが、いずれも組織内には様々な部署が存在し、それぞれが全く異なる仕事をしています。特に国家公務員においては、部局が変わると、全く別の会社で仕事をしているように感じられるほど、仕事内容が異なると言われています。

公務員には、大きくわけて「国家公務員」と「地方公務員」の2つがあります。それぞれの種類や仕事内容の概要について整理してみます。

国家公務員

中央省庁や外局、国会、裁判所など、国家の運営に関連した業務を行う公務員です。その主な仕事の内容は、全国あるいは国際社会を視野に入れた企画の立案・執行など、国家のプロジェクトの携わることになります。例えば統計調査、渉外、制作の立案、法令の整備、予算の編成、国会への対応、許認可手続き、各種委員会・審議会人業務や調査など。

国家公務員総合職・一般職

平成24年度の採用試験から、国家公務員試験は、従来の「国家㈵種」「国家㈼種」「国家㈽種」から、「総合職」と「一般職」に再編され、実施されています。
また、受験時点では採用官庁が限定されていないため、一時試験合格後に志望する官庁を訪問して、採用先が決定されます。ただし、裁判所、衆議院、参議院、国会図書館は独自に採用試験が実施されます。

総合職(旧国家㈵種相当)

係員の官職のうち、主として制作の企画立案等の高度の知識、技術または経験を要する業務に従事します。

一般職(旧国家㈼種、国家三種相当)

係員の官職のうち、主として事務処理などの定型的な業務に従事します。

地方公務員

県庁や市役所、警察、消防などの自治体組織で働く公務員。地方公務員の行政職でも、国家公務員と同様に行政面からの企画立案・執行に携わることになります。適用範囲が行政区に限定されはしますが、プロジェクト全体を通じて携わることが出来るのでやりがいを感じられるでしょう。例としては、各種産業(商工業・農水産業)の振興、福祉(生活保護・保育・介護)の充実、文化・スポーツ活動の推進、健康(医療・衛生)の増進、環境(道路・住宅・公園・施設)の整備、教育の充実、防災・防犯対策などがあり、地域住民の生活に密着した業務となることがほとんどです。

都道府県・市町村 行政事務

地方公務員の採用は、それぞれの自治体ごとに行われ、一般には上級(大卒程度)、中級(短大卒程度)、初級(高卒程度)と分かれています。採用後は様々な部署を経験、特性に合わせた職場に就きます。

自治体の規模と仕事の違い

・都道府県

市町村の区域を超える広域的事務
治山治水事業、基幹道路、河川、企業誘致など

・統一を必要とする事務

義務教育の水準の維持、社会福祉事務の基準の維持、警察の管理・運営など

市町村に対する調整事務など

・市町村

戸籍住民登録、消防、ごみ、し尿の処理、上・下水道、公園、緑地の整備、保健福祉、子育て支援など

・政令都市

道府県の事務である福祉、衛生、都市計画などの事務が委譲されている。