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公認会計士の心構えとは?なるためには?

人気の公認会計士ではありますが、いろいろな情報を見てもメリットばかりが先行し、仕事としての大変さや心構えについて語られにくい傾向があるようです。公認会計士を目指す方は事前に、メリット、デメリット共に把握しておくことをおすすめします。

公認会計士に求められるスキル

高度な知識が要求される

公認会計士の資格取得は非常に困難です。しかし、試験に合格し、公認会計士になったからそれで安泰、というわけではありません。目まぐるしく変わる制度等に対応していく必要もありますので、この職業に就いたならば、常に懸命に勉強しなければなりません。勉強が大好き! という人ならば良いのですが、そうでない場合、一生の仕事として続けていくのは大変かもしれません。

厳格な守秘義務が要求される

業務上知り得た情報を、正当な理由なく他人に話してはならない、漏らしてはならないため、ある一定の緊張感が常に求められます。
これは公認会計士をやめたあともその義務を負います。飲みの席、家族、友人などとの他愛無いおしゃべりの中でも、気を使わなければなりません。
また、公認会計士の名前を汚すような行為をすることもNGです。

強い独立性が要求される

被監査会社の役員になることや、株主や出資者、債権者になることができません。公認会計士の配偶者も同様です。

重い責任を求められる

誤った監査意見を表明したり、粉飾決算を見逃したり、粉飾決算に関与してしまった場合、会社法や金融商品取引法などの刑事責任や、商法上の民事責任を問われ、訴えられることがあります。すると苦労して取った資格も剥奪され、懲役や損害賠償を請求される場合も。

監査法人に就職できない

実は、公認会計士試験に合格しても、すぐに公認会計士になれるわけではありません。業務補助等、実務補習、修了考査、登録が必要です。中でも通算2年以上の業務補助等の実務経験は、ほとんどの人が、監査法人に就職して会計士の補助をすることで実務経験を積みます。しかし近年、国が合格者を増やしたことや、不況などの影響により、監査法人に就職できない人が急激に増えています。


あまり知られていないことですが、公認会計士は、公認会計士試験に合格するだけではなれません。公認会計士になるためには、下記の5つのステップをすべてクリアすることが条件となります。

ステップ1 公認会計士試験に合格する!

公認会計士になるための第一歩は、言わずもがな、公認会計士試験に合格することです。公認会計士試験は、マークシート方式の「短答式試験」と、記述方式の「論文式試験」の2つから成り、短答式試験に合格した人だけが、次なる論文式試験に進めます。この論文式試験に合格して初めて、公認会計士として認められることになるのです。
合格するために必要な年数は2~4年程度と言われています。ただし「2~4年頑張れば誰しも合格できる」というわけではなく、「合格する人は2~4年で合格するのが一般的」という意味です。公務員試験は難易度が高く、夢破れて去っていく人もまた大勢います。年数だけをみて楽観視するのは禁物です。

ステップ2 業務補助等を行う

次なるステップは、「業務補助等」を2年以上に渡って行うことです。「業務補助等」とは、「公認会計士や監査法人を補助すること(業務補助)」または「財務に関する監査、分析その他の実務に従事すること(実務従事)」を示します。
2006年の制度改正により、現在、業務補助等の期間は公認会計士試験の前後いずれでも認められるようになりました。しかし一般的には、公認会計士試験に合格した後に監査法人に就職し、業務補助を行う人がほとんどです。
公認会計士試験に合格されたほとんど全ての人が監査法人に就職するのも、この「業務補助」要件を満たすためです。

ステップ3 実務補習を受ける

3つめのステップは、実務補習を受けること。公認会計士試験に合格した後、一定期間(1~3年)をかけて「実務補習所」に通い、実務補習を受ける必要があります。実務補習の目的は、実務を行う上で必要となる会計・監査に関する知識を習得すること。
評価方法は単位制で、講義への出席や「考査」と呼ばれる定期試験の得点によって単位が付与されます。必要な単位数を取得しなければ「修了考査」を受験することができません。また、試験に合格した後に監査法人に就職した場合には、監査法人に勤めながら実務補習所に通うことになるため、スケジュール的に大変忙しい日々を送ることになります。

ステップ4 修了考査に合格する

ステップ4は、終了考査に合格すること。修了考査は上記ステップ3の実務補習で必要な単位数を取得した人のみが受験することのできる試験で、これに合格することが公認会計士になるための最後の要件。通常、修了考査は、公認会計士試験に合格した年の3年後の12月に受験することになります。実務補習所の卒業試験のようなもので、合格率は約70%。10人に3人は不合格となることを考えれば、決して簡単な試験とは言えません。
またこの修了考査は、2006年の制度改正により新設されたもので、2006年及び2007年は経過措置として「修了試験」と呼ばれていました。しかし、呼び名が異なるだけで実質的には終了考査と同じものになります。

ステップ5 公認会計士として登録する

上記1から4のステップをすべて完了し、公認会計士としての登録手続を完了することで、ようやく公認会計士になることができます。登録手続は必要書類を所定の機関へ提出(登録申請)することにより行われ、通常1~2ヶ月程度で完了します。