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TOEICの種類やメリット

初級者向けと、“喋る”“書く”能力を試すテスト

TOEIC®TESTの他にも、英語力を測定する2つのテストがあります。受験者数は2つともTOEIC®テストに比べて少ないものの、近年注目を集めているテストです。

初級者向けの「TOEIC Bridge®TEST」

TOEIC®TESTが数多くの企業、団体、大学などへ浸透している状況を踏まえ、大学や高校、中学校などの教育機関や学生・一般の方から、TOEIC®TESTよりも「やさしい」「日常的で身近」「時間の短い」テストを求めるニーズを受けて開発されたのがTOEIC Bridge®TEST。TOEIC®TESTへの“Bridge”、つまり橋渡しとなるような、初級学習者向けのテストです。

テスト時間と問題数はTOEIC®TESTの半分。問題は「リスニングセクション」が50問で25分で「リーディングセクション」が50問で35分です。1時間に100問をこなすことになります。

スコアは、リスニングが10~90点、リーディングが10~90点、トータル20~180点の2点刻みで表示。出題形式はマークシートによる選択式で、TOEIC®テストよりも日常的かつ身近なコミュニケーションのシーンや素材をテスト問題に採用している点が特徴です。また「リスニングセクション」の出題スピードは、TOEIC®TESTより遅め。ちょうどNative Speaker(英語を母国語とする人)が「注意深く」話す際のスピードです。

“喋る”“書く”能力を測定する「TOEIC® SW TEST」

TOEIC®TESTは「リスニング」と「リーディング」の能力を測定するもので、どちらかというと受動的な能力を客観的に測定するものですが、TOEIC® SW TESTは能動的な「スピーキング」と「ライティング」、すなわち「話す能力」と「書く能力」を測定するテストです。

問題構成は、「TOEIC® スピーキングテスト」が11問で約20分。「TOEIC® ライティングテスト」が8問で約60分です。TOEIC®TEST(リスニング、リーディング)が紙と鉛筆で解答するのに対し、TOEIC® SW TESTは試験会場にインターネット接続されたパソコンが設置され、音声を吹き込んだり、文章を入力して解答するようになっています。

「スピーキング」と「ライティング」、ともにスコアは0~200点で、10点刻みで表示されます。また、スコアをもとにした評価がProficiency Level Descriptors(能力レベル別評価)として、TOEIC®スピーキングテストでは8段階、TOEIC®ライティングテストでは9段階で表示されます。さらに、TOEIC®スピーキングテストにおいては「Pronunciation(発音)」、「Intonation(イントネーション)とStress(アクセント)」についてもそれぞれ3段階で評価されます。


就職、転職、昇進や昇格などに活きるTOEIC®

あなたの英語力はどのくらいですか?そう聞かれると、多くの人はなかなかピンポイントの回答はしにくいもの。「日常会話くらいは」「ゆっくりしゃべってくれればなんとか」「スムーズに海外旅行ができるくらい」など、どうしても国語的な表現になってしまいがちです。

その点、TOEIC®TESTはスコア、すなわち数値で表現できるところが大きなメリットです。
そのためTOEIC®は、企業や学校などで、英語力の様々な基準として活用されています。たとえば学校では、入学試験の基準となったり、クラス分けや単位認定の基準や授業の効果測定などのシーンです。企業や団体においては、採用時の基準になる点をはじめ、海外出張や駐在の基準、昇進・昇格の要件、英語研修の効果測定などで用いられています。

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会の「2013年上場企業における英語活用実態調査」報告書によると、そのニーズが克明にわかります。「採用時にTOEIC®スコアを参考にするか」という問いに対しては、「参考にしている」「参考にすることがある」で全体の約7割を占める結果となりました。採用応募時の参考スコア(平均)は625点。新入社員よりも中途採用社員のほうが高いスコアを求められる傾向にあります。「TOEIC®スコアを異動、昇進・昇格の要件にするか」という問いには、「要件にしている」が15.8%。「要件にしていないが、将来はそうする可能性がある」という回答が45.2%を占めました。「TOEIC®TESTを海外赴任者選抜に利用するか」という問いには、「利用している」「利用することもある」を合わせて約3割でした。

このような企業が英語力を求める傾向は、経済のグローバル化が進む中でますます高まっていくことが予想できます。同時に、スコアという確固たる基準が出るということは、「もっと英語を上手くなろう」とモチベーションを維持することにもつながります。たとえばアスリートたちの「記録」も、現在の自分の能力を示すひとつの目安。次はもっと高く、遠く、速くと、次なる目標を抱く動機づけになるものです。

たとえば、最初はTOEIC Bridge®TESTにチャレンジして、トータルスコア150点をクリアしたらTOEIC®TESTで600点以上を目指す。さらに700点、800点とハードルを上げていく中で、TOEIC® SW TESTにもトライしていく…といったように、スコアを基準にマイルストーンを設定して、階段を一歩ずつ上がっていくように英語のコミュニケーションスキルを育てていく方もいます。
外に広くアピールできるとともに、自分の内なる「ヤル気」をも支える存在がTOEIC®といえるでしょう。