カラーコーディネーターと色彩検定の違いは?

カラーコーディネーターと色彩検定は、どちらも色の知識を証明する資格ですが、認定団体や試験問題などいくつかの点が異なっています。

認定団体の違い

カラーコーディネーターは、商工業の発達と福祉の増進を活動目的とする「東京商工会議所」が主催する資格です。商業や工業の分野を中心に、ビジネスに特化した色彩の知識を学ぶことができます。

一方の色彩検定は、公益社団法人「色彩検定協会」が主催する資格です。色に関する知識や技能を総合的に学ぶことができます。この色彩検定は、文部科学省が後援しているため、カリキュラムの一環で資格取得を推奨する学校も少なくありません。

級位の違い

カラーコーディネーターと色彩検定のどちらも、学歴や年齢といった受験資格がとくに存在せず、だれでも気軽に受験できます。級位は1級から3級まであり、何級からでも挑戦が可能です。自信があれば高い級位から受験してもいいでしょう。また双方の試験で、1級と2級、2級と3級など、併願受験を行うこともできます。

ただし、カラーコーディネーターの試験に限り、1級試験の分野がファッション、商品、環境の3種類に分かれています。そのため、1級試験を受ける場合は、それぞれの分野から1つを選んで、試験に挑むことになります。

試験問題の違い

カラーコーディネーターの試験で出題される問題は、級位によって異なります。主に色の性質、色彩の心理的効果、カラーコーディネーションの意義など、理論的な内容の問題が多くなっています。一部に論述問題もありますが、1級から3級まで解答方法がマークシート方式となっているのも特徴です。

一方の色彩検定は、理論的な内容の問題に加え、プロダクトデザインやインテリアの色彩に関わる問題も出題されます。また1級の試験に限り、カラーカードを使った実技試験があるのも色彩検定の特徴です。双方の資格には、このほかにも試験の合格率や受験料などの細かな違いが多く存在します。

就職や転職に有利なのは色彩検定

色彩検定の資格は、カラーコーディネーターよりも人気や認知度が高く、資格保有者を優遇する企業も少なくありません。業界によって異なりますが、就職や転職には、カラーコーディネーターよりも色彩検定が有利でしょう。ただし、企業が評価しやすいという話であって、カラーコーディネーターに価値がないということはありません。スキルアップや職域の拡大を目指すのであれば、両方の資格試験に挑戦してもいいでしょう。