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中小企業診断士の試験に向けたアドバイス 第2次試験編

第2次試験に向けたアドバイス

第2次試験には10月第3週に行われる筆記試験と12月第3週に行われる口述試験の2つがあります。

筆記試験

この第2次試験の筆記に関しては、中小企業の事例に対して経営アドバイスをしていく論述形式の試験になります。事例Ⅰ:組織・人事、事例Ⅱ:マーケティング・流通、事例Ⅲ:生産・技術、事例Ⅳ:財務・会計の4つが各80分の各100点満点で出題されます。2次試験の結果は受験者当人に合否の連絡が届く上で、不合格者には科目別の正解率をA~D評価(A:60%以上、B:50~60%、C:40~50%、D:40%以下)で通知されます。そもそもコンサルティングとしての回答をしなくてはならず、明確な評価基準を得られにくいため、独学では正解と学習方法が見えづらいです。したがってスクールや通信形式等による勉強法をお勧めしています。

財務・会計の難しさ

4つの事例の中でⅠ~Ⅲは基本的に100文字~120文字で記述する論述問題ですが、Ⅳの財務・会計に関しては数字を算出しなければならない計算問題でもあります。勿論計算がズレた結果、数字が異なっていたりしたら不正解となりますので、数学的要素も含まれるのです。理論が分かっていても答えの数字が異なっていては元も子もなくなりますので充分に注意しましょう。

事例Ⅰ~Ⅲは簡単?

逆に事例Ⅰ~Ⅲに関しては、理論を踏まえたうえでの文章で解答するわけですので、受験生はある程度の合格点に達することは可能です。ただ、この解答の考え方に微妙な落とし穴があります。問題として「うまく行っていない事業があります。どうすれば良いでしょう?」的な出題があったとします。これに対して、自己顕示欲の強い受験生の中には、突拍子もないがアイデアとしては非常に面白い解決策を答えに書いたとします。でもそれではあまり良い点数を稼げるとは思えません。基本として考えられる当たり前のことをアドバイスとして提出することの方が解答としては妥当です。経営者に対して当たり前のことを提出した上で、経営者側の状況や出来ること出来ないことを共有した上で、コンサルティングしていくことが中小企業診断士としてのあるべき姿です。従って、試験でいきなりアイデア力に依存した解答をしたところで「そもそもコンサルタントとしてのあるべき姿を分かっているのか?」と採点側に解釈されてしまいます。ですので、解答の仕方としては定石として考えられる当たり前のことを記述するように心がけましょう。そういう意味では簡単だと思うかもしれませんが、その上でしっかりと進言できている答えかどうかを何度も感覚として捉えていく必要があります。決して簡単だと思わない方が良いでしょう。

記述は端的に

論述形式である以上、「誰が」「誰に」「何を」を明白にして、分かりやすく文章を書くことが重要です。奇抜な文章テクニックは必要ありません。そして問題に対する解答として合っているかどうかも入念に確認してください。そもそも問題に対する回答が曖昧では減点対象です。また文字数制限を意識するあまり、体言止めが多かったり「―だ。」のような書き方も解答としては不親切となりますので注意しましょう。そう考えると帰納的に書きつつ結論を明示し、指摘すべき解答箇所があれば箇条書き風に「第1に…第2に…」という形で挙げていくことも良いです。ただし、あらゆる可能性を考えるあまり、指摘箇所をいくつも列挙すると論点がブレますので気をつけてください。この辺はとにかく過去問を反復して学習することで身につけていきましょう。

口述試験

最後の試験です。合格率は例年99%以上ですし、ここまで合格している受験生であればもう知識は充分にありますので改めて勉強することも少ないでしょう。しかしながら口述試験といっても実質、面接のようなもので面接官3名と約10分間話します。ここでは中小企業診断士として相応しいかを見極められるので人柄や常識性が大事です。人柄や常識とは、決して個人的なことを訊かれるわけではなく、筆記試験の時の出題を改めて口頭で説明するイメージです。今までの第1次試験や第2次試験の筆記試験をパスしている知識があれば答えられるはずなのですが、稀にその場の雰囲気に飲まれてしまって、答えに詰まったり黙ってしまう受験生がいるようです。そういった受験生が不合格になりやすいので、日頃から人前でも話せるコミュニケーション力を磨いておくことが重要です。

これらを全て合格して、中小企業診断士になる道筋が見えたら、次に勉強法を考えましょう。